英文法書 覚え書き

最近、英文法書を人にお勧めする、ことがありまして、その際に調べたことメモです。




新マスター英文法 全面改訂版

新マスター英文法

新マスター英文法

出版社のHPにある「手堅い英語力修得の基」を具現化しているなあ、と思う。高校用学習参考書に分類されているけど、入試対策用でなくても、まずはこの辺を全部さらうつもりで取り組むのがよいように思います。

http://www.seibunshinsha.co.jp/books/ISBN978-4-7922-1806-5.html



英文法詳解

英文法詳解

英文法詳解

『英文法総覧』とセットで読む人が多いみたいです。ほんとちこちこ書いてある。かえってウザい、気軽に参照にしくい、という人も。



英文法解説

英文法解説

英文法解説

通称「江川本」。ご多分に漏れず私も高校のときに学校で参考書として購入。自分で選んだのはないけど解説の感じとか好きです。


英文法総覧

英文法総覧

英文法総覧

「江川本」の次に読むべき、として紹介され、以来つき合っています。必要充分なことしか書いていない、のか、必要充分なことが網羅されている、のか、どう取るかはその人次第。でも、どちらも有益なことだよね。本のサイズも手頃、お値段も手頃です。

私が言語学に興味を持ったのは、この本の「解説」のおかげではないかと思います。


表現のための実践ロイヤル英文法

表現のための実践ロイヤル英文法

表現のための実践ロイヤル英文法

ちょっと手に取って確かめたい、みたいなときに軽く参考にできるものはないか…と思って探して、これがよいかなあ、と。ある場合にのおける、適切な・正確な表現を調べたい、というような目線で参考にするにはよさそうでした。そういった意味での「実践」、なのだと思います。出版社の紹介文にある「自分の考えや事実を、英語で正しく表現できるようにすることを目的とした学習書」がぴったりです。

同じ旺文社から出ている『ロイヤル英文法』の方が有名だけど、文法についてしっかり調べごとをしたいのならちょっと不十分、かな。江川本があれば『ロイヤル英文法』はいらないかなっていう感じです。

『表現のための実践ロイヤル英文法』で扱う英文法レベルは基本大学受験〜大学の範囲なのかもしれないけど、これが標準だ、これくらいは自信を持ってできるようになろう、という指針にするのはよいかなと思います。別冊の問題集もあるし。あと、「注意」や「Helpful Hint」などの注釈が面白かったのと、本の帯で我が敬愛する柴田元幸氏の推薦文が決定打となりました(^_^;)>。

【追記】著者のマーク・ピーターセン氏の『日本人の英語』『続・日本人の英語』(共に岩波新書)っていう本があるらしいく、いろいろな人がお勧めしています。問題集をやる派でない人は、こういうのを読んで落ち葉拾いをするのがよいかも。



以下、欲しいな〜、な、英文法書です。

現代英文法総論

現代英文法総論

現代英文法総論

『A Comprehensive Descriptive Grammar of English』の全訳書。でも、注目すべきは、『英文法総覧』の著者安井稔氏が翻訳をしていることと、その安井氏による補足が素晴らしいことです。日本語が読める人は邦訳版を買うべきです。内容は、凄い、の一言。どこかの書評で「記述文法の立場から、徹底して鋭い分析が展開されている」と言っているのを見ましたが、ほんと、そんな感じです。

『英文法総覧』をちゃんと見終わることができたら、手にれたいと思っています。
http://www.kaitakusha.co.jp/book/book.php?c=549


Longman Grammar of Spoken and Written English

Longman Grammar of Spoken and Written English

Longman Grammar of Spoken and Written English

  • 作者: Douglas Biber,Stig Johansson,Geoffrey Leech,Susan Conrad,Edward Finegan
  • 出版社/メーカー: Pearson Japan
  • 発売日: 1999/11/05
  • メディア: ハードカバー
  • 購入: 1人 クリック: 8回
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コーパスを活用した記述英文法書。コーパス言語学を軸にした英文法書が出される時代になったか!という感じです。本屋さんで立ち読み(正確には、座り読み3時間でしたが(^_^;)。んで、手ぶらで店をでるのが申し訳ない雰囲気になって『表現のための実践ロイヤル英文法』を買ったのでした)したところ、コーパス分布分析や図解が興味深かったです。"Corpus Findings"が特に、この手の分野の強み、データ・マインニングの妙を見せてくれてて、電算系な人にとってはもうktkrな本でございました。ただ、このデカさとお値段は、ちょっと衝動買いできるレベルではございませんでした(^_^;)> 

こういう書物こそ、オンラインかデジタルで扱えると便利なんだけど…。

いつか、いつかね。



以下、いろいろな理由で持って取り上げなかったものです。

開明英文文法―表現の科学 
林 語堂 (著), 山田 和男 (翻訳)
出版社: 文建書房 (1960/01)

絶版で入手困難なので…

中国人でありながら英語ですぐれた作品を書いている作家さんであり、ジャーナリストであり、言語学者である林語堂氏によるもの。講談社文庫になっている『人生をいかに生きるか』はこの手の書籍の先駆け的存在。言語学に関しては『言語 ― その本質・発達・起源』(岩波文庫、上下巻)などを著している言語学の大家オットー・イエスペルセンにも認められた研究者だったそうです。

古い本なので、言葉使いとか例文の古さがあるものの、ところどころにオチャメさと言語学というサイエンスを極めんとする者の視線が見て取れて、読み物として楽しい書籍だと思います。