GHEEE / Special Unplugged LIVE @ 渋谷Eggman

前日がんばりすぎて体調を崩して、泥のように眠って起きた日曜日。今日行けなかったら一生悔やむと思って、根性でお出かけできるコンディションにして渋谷に行きました。

ぼおっとした頭でiPodで“予習”をしながら渋谷は公園通りの坂を歩いていたら、前からその歌を歌っているご本人がてくてく...と歩いてきて、ビックリしました。思わずがばっとヘッドフォンを外してしまいました(^_^;)


もうそろそろ弾き語り観客初心者じゃないって言ってもいいんじゃないの自分、になった気がする今日この頃。初めて近藤さんの弾き語りライブに行ったときとまた違ったドキドキ感を抱いて、の、ライブでした。それに、北海道、すごくいいステージだったので。あのステージ、機会があったらまた見たいなあ、そんな機会っていつかあるのかなあと思っていたので。

一番最初は近藤さん。ステージ衣装のブラウン地の長袖のネルシャツと、グレーのオーバーオールしっぽ付き。ちっとも急いだり焦ったりする様子がなく、もっさりもっさりと準備をする、GHEEEじゃない近藤さん。今日はGHEEEの、なんだけど。

ポケットからギターのピックを探しながらMCをして、それから「深沼くんが歌っているGHEEEの曲を一人でやるとどうなるか」というマクラがあって(笑)「No Knock」が始まりました。

近藤さんの「No Knock」を聞くのはもう何回目かで、もう近藤さんバージョンとしてこの感じは自分内に認識されているなあ。ベースの音の響き方が、もうそのままヴィオラに乗せられるように響いていて、ここんとこすっかりストリング脳になっていた私の頭に気持ちのよい錯覚を起こしてくれた。じゃあここに一弦と二弦を乗せたらどうなるかな、なんてことを想像しながら聞いてました。

次のマクラは「深沼くんと半々で歌っている曲を一人でやるとどうなるか」(笑)えーと半々の曲って何があったかなあ、と考えていたら演奏が始まって、コードを追ってい気が付いてぞくぞくっとしました。すんごいゆっくりだけど、これはこれは…「Runaway Pigeon Bus」じゃないのー。えらくタバコの香りのする感じになっていました。こないだの藤井さんみたいなブルーな感じ。でも、近藤さんパートになると、ちょっと聞き慣れた感じになってほっとしてみたり。このハーモニカのアレンジがまたかっこよかった。もともとのギターのリフが、どうひっくり返したってギターって感じのソロだったところ、思いっきり近藤さん寄りにしました、っていう感じ。

最後のマクラは「自分が一人でやっているのを一人でやったらどうなるか」。全てのパターンを洗うつもりですか?もしかして近藤さん、理系? その後「あ、(いつもは)4人でやっているのを、だね(笑)」と言い直したところに、サイエンス系よりも理数系な雰囲気を感じました。あーじゃあこれは、と期待して待っていたらやっぱし「Lucifer」。この間はただただ驚いて聞いてしまって後で思い出しても心臓の音ばかり…ってな感じだったけど(^_^;)今日はちゃんと聞けました。やっぱりこれは、近藤さんの曲だなあ、GHEEEで聞いているときとあんまり変わらない感じがしました。語感も、言葉のつじつまも、とても近藤さん然としている。…っていうほど私は近藤さんを知らないけど。

GHEEEの曲を3曲演ったところで、自分の曲を、と選んだのが「Barefoot Diaries」でした。うお、この曲は、すごい弾き語りっぽい曲なんだけど。誤解を恐れずに言えば、一般市民が弾き語りっていうと思い浮かべる曲はこんな感じです、っていう曲(少なくとも、わが共Jこすんは、もろこれを弾き語りだと言えばといって挙げてくれた)で、初心者にはちょっとハードルが高いんじゃないのかなーと思っている曲なんだけど、それを今日やるかー、と思いました。あ、でも、途中で、なんていうか、みんなの知っている近藤さんの演出と笑顔があったから、結果、近藤智洋を知るにはとてもよい一曲になったなーとおもいました。続く「小さな欲望」の、近藤さんの撮る写真の感じみたいな曲想も。

近藤さんの弾き語りにくると必ず聞けるともう私は思い込んでいる「二人の航海」。ルースターズの「C.M.C.」も、もう何度目か。アウトロの余裕のある聞かせどころも含めて、さすが弾き語り歴の長い近藤さん!っていう曲。「二人の航海」なんて、バンド・ファミリアなバージョンの方が違和感あるくらい(笑) ルースターズの「C.M.C.」も元はメジャーなところをマイナーにアレンジして速度も落として、な近藤バージョン。なにそれ、な、歌詞が、さらにちがった方向に行っちゃっうトリップ感も含めて、他に例えようのない音と声なのです。

深沼さんのギターは、雑誌とか日記とかで見た/聞いたことのあるヤイリのギターでした。北海道のときは誰かに借りたギターだったのかな? ヤイリのギターの音は、やわらかいけどまっすぐな感じ、かなあ。ミヤザキさんもこんな音だったっけ? 人によってすごく変わる楽器なんだなあ、ギターも。

1曲目は北海道でも聞いた「Blues from the bathroom」。あれから音源をゲットして何回か聞いたので、今日は馴染みのある感じで聞けました。歌い方は、初期のころの東北海岸(USの、ね、念のため)っぽい発音を今に直していないふうなのは、声も音源と言う深沼さんのこだわりなのかなあと思いました。

ギターのアレンジの方向はやっぱり近藤さんと違うなあとおもいました。はっきりと常にいるようなヴィオラやチェロがいない感じ。みんなヴァイオリンでみなギターな感じ。みんな一緒に響いている感じ、かなあ。それを次はこれ、次はこっちというようにコントロールして奏でているあたりがきっと、深沼さんのサウンドメイキングなんだろうなあ。深沼さんの声、好きだから、歌の曲をたくさん聞きたいとほんと心から思うけど、この人が本気で音響系を極めにいったらそうとう面白いことになるだろうな、なんて、思うのだけれど、ね…。

「Lahaina」のギターの感じは、アルバムのどこかに入っているバージョンで馴染んでいて、それが生で聞けるのが素直に嬉しい。歌詞が、深沼さんの歌の中では妙に日本語っぽくって、iPodとかでよく聞いているにもかかわらず、日本語で歌っている深沼さんに感動してしまいました。

今日のMCは短めにする、といいつつ、最近見た夢・お見合い編は激面白かった!です。そっかそっか、クオリティじゃなくテイストが、っていうのは選り好みの言い訳としては秀逸ですな。

ここまでで“新曲”がなく、いつかないつかなと思っていたら、PLAGUESの「音速の箱庭」を、と言って演奏が始まりました。ここんとこ自信をもって言えるくらいPLAGUESの曲はカバーしたはずなのに、まだ知らない曲があったのか、と思っていたら、あ、これは「Sonic miniature garden」じゃん! 原曲を聞いたときには、えー深沼さんが渋谷系だー、と、すごい違和感があったのですが、ま、そういう時代だったしな、とか思って聞いていたのですが、今の深沼さんの声で今の深沼さんの演奏で聞いたら、なんか印象が全然違いました。なんだか嬉しい誤算的な感動がありました。

ここまでなんにもポカがなく、いつもの深沼さんらしくないなーと思っていたら、次の「Swallow」でorz。えーすごい気持ち入れて聞いていたのにー(>_<)! でも、その時はわからなかったけど、深沼さんサウンドなら、そうか、曲から主線が離れちゃっているもんねえ、と、ちょっと納得しました。それにこの曲はやっぱり近藤さんの曲なんだなあ、と。

メロへの曲はーと思って待っていたら、まだ仮タイトルだという「Here, not There」を披露してくれました。また難しいタイトルを(^_^;)。あ、カンマはないかも…。ああそうそうVelocity Daysから途切れちゃっているメロへの感じってこれだよなーと、いろいろわああっと思い出されて、初めて聞いた歌詞が思いの他胸に迫りました。

凱旋門」と「A phantom song」は、US時代の想い出ととても強く結びついていて、たぶん一生、忘れないだろう曲です。そんな曲をこうしてときどき生で聞けるなんてほんとうに幸せです。それがとても思い出したくないことを思い出させるとしても。多分…忘れるなっていうことなんだろうな。いつか、この誰にも話せないでいるストーリーを誰かに話せるようになったときに、私はこのストーリーからほんとうにサヨナラできるのだろうな…(そうですよね、クローネンバーグ先生?)

最後の「Ride,Ride,Ride」は、最近元曲を聞いたばかりだったので、その時から今日までの「あれから何年経っているんだ?」的なことが一気に感じられる一曲になりました。ニンゲンってやっぱりいろいろ変わるもんだよねえ。ギターの音だって変わっているもんねえ。でも、深沼さんの笑顔は、なんだか全然変わっていない感じがするのです。あとたぶん、あの天然なところも変わっていないんだろうなあ(笑)

GHEEEアコギバージョン・ライブ。みんな座っている図がもういつもとちがいました。深沼さんと近藤さんはGHEEEモードに起き替えしていました。服装が変わると気持ちも変わるもんね! お二人とも黒がち。そういえば深沼さんは北海道のときもどことなく原色外した緑っぽい色だったっけ。今日のTシャツも緑でした。YANAさんは長かった髪をばっさり切っていらしゃいました。短い方が似合うかもー! どうするのかなーと思っていたドラムは、スティックを変えて対応されていました。

そして、どの曲も、もともとリズムにどっしりとしたラインがある曲たちのリズムが、一層どっしりと横たわる感じがしました。近藤さんと深沼さんと一緒になると、もうギターと声だけでオケ完成って感じです。前で聞けてよかったなあーと思いました。「My Imagination」「No Knock」「Swallow」は、さっきのソロのときと比べて聞くことができてとても面白かったです。やっぱり4人揃うとGHEEEサウンドになるんだなあ、と。さっきやらなかった「The winter road」、比べるものがないからっていうのもあるのか、一番アレンジの妙が面白かったです。もともとのアレンジもアコースティック調に近くて、これどう料理するのかなーと思ったら、ぐっとユニゾンに寄せて、差異はそれぞれの個性に任せた!っていう降りっぷりな感じになっていました。がんばらない感じが新しいなと思いました。

今日はこれで終わりかなー、でもアンコールあるかなー、と、拍手をしていたら、ステージ上に深沼さんのエレキがセッティングされていくじゃあーりませんか! え、え、と、さらに手に力を込めて拍手をしていたら、みなさんもっかいステージに出てきてくれて、オリジナル…ではなくって、近藤さんは歌専門、な、3ピース編成! うわーすごい確信犯だなこれ! さすがに客席は立ち上がり、さすがに客席にはイスがあったので近藤エクスプロージョンはかなったけど(ま、あれだ、昨今ドラムにダイブして大けがしちゃった人もいますからね(^_^;))会場沸点はかなりあがって、終ってみればいつものどきどきした感じと、握った手の中に何かある感じを残して終演となったライブになったのでした。