「日本文化は、なぜブームで終るのか。」#3
前日からの続きです。
三枝 成彰 作曲家 ㈳日本作曲家協議会 会長 今こそ著作権の大切さを皆さんに知っていただく時だと感じています。多くの 人に受け入れられる作品を作り出した人にはそれに見合う収入を手にすること ができると広く知らしめれば、作り手を目指す若い人たちも増え、日本文化を さらに元気にしていくことにつながるでしょう。
これには異議がありません! まったくその通りだと思います!
しかし、著作権保護期間の延長問題は、保護期間を“没後”50年から70年にしようという議論です。自分が死んだ後のことですよ? 自分はその収入を手にすることができないんですよ? それでも若い人たちは作り手を目指すでしょうか?
また、実のところ、「多くの人に受け入れられる作品」ではない作品の方が「多くの人に受け入れられる作品」よりも、圧倒的に多いのです。作り手を目指す若い人たちも増えれば、マスが広がるので、「多くの人に受け入れられる作品」が今よりもたくさん増えるかも知れませんが、「多くの人に受け入れられる作品」ではない作品ももっと増えるでしょう。そういう作品にとって、保護期間の延長は足かせになリ得る可能性があるのです。「多くの人に受け入れられる作品」ではない作品でも、それを受け入れ、楽しみ、人生を豊かににしている人がいるでしょう。そういう人が、作品に出会うチャンスとか、手に届くチャンスとかが、著作者の遺族が納得しないとかいう理由で潰されてしまうことは、残念に思います。
朝妻 一郎 ㈳音楽出版社協会(MPA) 会長 世界の音楽を受け入れ、日本の音楽を世界に向けて発信しようとしている私たち は、そこで使われている共通のルールに従ってビジネスを行わなければなりませ ん。世界の先進国の中で日本が特別のルールを使っているという異常事態を解消 する必要があります。
「共通のルールに従ってビジネスを」する、ということについては、異議有りません。その方だラクだ、ということは想像つきます。いちいち説明しなくてもいいし。で、その、日本が使っているという特別なルールは、何ですか? 著作権の保護期間が50年であることは、ルールではないですよね? これはアティチュードで、ルールではないと思います。日本が、取引先の国違って保護期間が50年であると、ビジネス上どんな障害が起るのでしょうか? …すみません、ちょっとわかりません。
だいたい、保護期間が50年から70年になったのは、どういう理由だったのでしょうか? 最初はみんな50年だったのでしょう? だったら70年にするときに「これこれ、正当な理由があるから、みな70年にしようじゃないか!」みたいなのがあってもよさそうなものですが、そうではなく、いろいろな意味で力のある国が先に70年にしてしまったので、それでは日本も追従しないと…みたいな感じだと思うのです。だって70年にする意味を論理的に説明してくれる人がどこにもいないし、何もないんですもの。それこそ、「欧米か!」って突っ込んでいいポイントですよね、○○先生(^_^)
青木 光一 歌手 ㈳日本歌手協会 会長 歌手の権利を守ることを第一の目標に掲げている㈳日本歌手協会としては、至極 当然の事ととして20年延長に賛同いたします。世界の流れを見ても同様に、それ だけ権利者に大しての社会的地位が認められてきた当然の帰結で、知的財産立国 としては、延長すべきと考えます。
著作権保護期間が没後70年に延長されると、歌手の権利がより守られるようになるのですか? 歌手の権利を守ることを尊重すると著作権保護期間が没後70年に延長さることに賛成することは、至極当然のことなのですか? すみません、至極当然というその正当性が私にはわかりません。著作権保護期間が没後70年に延長されることは、権利者の社会的に地位が認められたことなのでしょうか? 権利者?え、著作者じゃないんですか?
まったくわけがわかりません。
佐藤 修 ㈳日本レコード協会 会長 著作物を創作的に表現し、伝達する役割を担うアーティストやレコード製作者は、 日本の音楽文化の発展と産業の振興を支えています。著作権とあわせて実演、レコ ードの保護期間の延長が必要です。
えーと、論点がずれていませんか(^_^;)? 著作権保護期間が没後70年に延長される事へのご意見はどこなのでしょうか?
野村 萬 狂言師 ㈳日本芸能実演家団体協議会(芸団協) 会長 実演家の保護期間は、実演の「固定後50年」と規定されております。長寿社会の 今日、殆どの実演家が、生存中に法的権利が消滅してしまいます。世界に先駆け て、是非、実態に合った実演家の保護期間の延長をお願いいたします。
えーと、論点がずれていませんか(^_^;)? 著作権保護期間が没後70年に延長される事へのご意見はどこなのでしょうか?
実演家の保護期間の問題は、著作権保護期間の延長問題とは別に、新たに議論されるべき問題であると思います。「生存中に法的権利が消滅」してしまうのは、実演家の保護期間。著作権の保護期間は、現在、その著作者の死後50年保護される、んですよ? 死んだ後、ですよ? 一緒に語れる問題じゃないと思います。
津上 忠 劇作家 ㈳日本演劇協会 専務理事 当協会は制作、演出、舞台美術等に携わるスタッフ関係者を主に約300名の会員 によって構成され、結成以来半世紀以上にわたって著作権擁護とその普及のため に活動してきました。今回の70年延長問題は無論賛成で世界の先進国並みに是非 実現を願っています。
「無論」だなんて言わないで、議論を尽くしましょうよ! 無論なんて言えるほど、大衆も著作者も、納得していませんよ、世論になっていませんよ!
よーし、この際、いろいろなものを先進国並みにしちゃえ! 税金とか! 徴兵制度とか! 軍隊保持とか! 核保有とか!
川村 たかし 児童文学作家 ㈳日本児童文芸家協会 会長 欧米で現行70年の著作権保護期間が日本で50年ならば、日本の作家の作品が 50年を経過した時点で海外で使用され、混乱を引き起こすことも想定されま す。著作権について適正な管理を行う上でも、日本の保護期間を海外の基準 に合わせておく必要があります。
どのような混乱が想定されるのか、知りたいです。すみません、私には想像できませんでした。また、適正な管理とは、どのような管理なのでしょうか? 著作権保護期間が70年になったら、これらの混乱は解消され、適正な管理が行われるのですか? それで、著作者は幸せになれるのですが? 多くの著作者が幸せになれるのですか?
まだまだ、続きます。