コミュニティーのネットワーク

gamme2007-01-08


コミュニティーのネットワークに、興味がある。コミュニティー内のネットワーク、それから、コミュニティーとコミュニティーを繋ぐネットワーク。そうすると、「どうなっているんだろう?」の興味対象に、ネットワークのコミュニティー、というものも挙ってくる。コミュニティーに良い作用をもたらすネットワーク、それを作ったりハンドルしたりするコミュニティー

例えば先日、とあるシンポジウムの裏方サイドに参加したときの話。そのシンポジウムの模様をネットで中継したいなっていう話になりました。会場は、ごく普通の中規模なホール。さあどうやてネットにつなげて映像をサーバにアップするのか? どうやって配信するのか? どこから配信するのか? 会場で撮った映像をPCに取り込んでネットに流せるようにするにはどうすればいいのか、何が必要なのか?…

そういう技術とかノウハウとか、機材とかサーバとか線とか、人手とか、を、融通しあえるコミュニティーっていうのがあればよいな、と思いました。一昔前は、そうだ今からちょうど10年くらい前だ、SFCに「世界初のインターネットでの映像のライブ配信」というのを見に行った事があります。ローリング・ストーンズのライブでした。基本、パソコンは“こちら側”にいる機械だと思っていた私は、これはすごいことができるようになったな、と思った。いつかこういうことが普通の人にできるようになる、そんな日がそんなに遠くない未来にきっと来る、と信じていた。そして、今、その未来にいるわけなのです。

コミュニティーのネットワーク。そもそも、ネットワークあるところにコミュニティー有り、だったんじゃないでしょうか。何かを誰かに伝える仕組み。時が経って、それをテクノロジーが支援するようになって、ネットワークはどんどん広がっていって。そしてその技術なりインフラなりをメンテしたり提供したりするコミュニティーができていった、と。自然です。自然だけど素敵だ。

O'reillyから『Building Wireless Community Networks』という本も出ています。しかも既に2版目。大まかな内容がオンラインで読めます

Building Wireless Community Networks

Building Wireless Community Networks

もうこうなると、「線がないからできない」とか「ネットにつなげないからできない」っていうことは“いいわけ”にはならないなあ、と。ないなら作っちゃえ!、と。

以前、「Second Summer of Web」っていうイベントをやったときに、ダイアルアップ回線でしかネットに繋げない環境でサーバを立てたのだけれど、その民生用のダイヤルアップ回線を束ねて、画像だの文章だのをごんごん送ったりしたんだよね。

最近は“野良電波”“野良AP(アクセス・ポイント)”を活用するなどの手段もまあ無きにしもあらず。合法か違法かは置いといて、まあ、使っても使われてもあんまり良い気はしない。誰が何処に繋げているのかわからない、という点では、無法状態と言えるのでは…。

これを、積極的に「あーウチのAP使ってもいいよ」「ボク○○ってゆーんだけど、オタクのAP使わせてくれない?」的なネットワークを構築しようという動きがあります。FONが、それ。自宅のWi-FiFONコミュニティーの人(FONメンバー、Fonero(フォネロ)と呼ばれる)に共有できるようにして、代わりに自分が自宅以外の場所でネットに繋げたいときにはフォネロのネットワークを使わせてもらう、というもの。give and takeです。もしgiveが出来なかったら代価を支払うという方法でルーターとネットワークを使わせてもらう、という参加方法もあります。公衆無線LANのインフラを、草の根的に構築していこうという試みです。

日本では、市民が市民レベルで無線LANネットワークを構築する前に、草の根といいつつ組織が参入する形で始まったような気がしますが、FON Japanの今後に注目したいと思います。

コンテンツ供給も草の根レベルの動きが、ちょっとずつですけど、活発になってきつつあるような気がします。これからは、技術的にチカラの有る人が、コンテンツはあるけどどうすればいのかわからない人を助けてあげたりできるようになるといいなと思います。