NONA REEVES ノーナとHiPPY CHRiSTMAS 2007 @ 渋谷CLUB QUATTRO

1999年から毎年恒例でやっているノーナ・リーヴスのクリスマスライブに初めて行ってみました。なんかクリスマス仕様にしていかなきゃね、と思って、赤いTシャツを着てサンタクロース帽子を被って行った(サンタ帽子は会場の中に入ってから被りました(^_^;))んですけど、会場はわりと普通に黒がちでした。みんなどうしたんだー、19日だけどクリスマスライブだぞー。


ノーナのライブはいつもほんとうに楽しい! 今日もほんとうに楽しかったです。ノーナのステージ構成ってたぶん、ゴータさんが考えていらっしゃるのだと思うのですが、その首尾一貫したエンターテインメント根性が素晴らしい! ノーナは常々「自分の好きな音楽をやっているだけ」と言っているのですが、あのステージはどう考えても「お客様本意」ではないかと。ノーナ好きな人、ノーナを聞きにきた人、まあとにかくライブを楽しみに来た人、を、どうやって楽しませるか、今日のこの時間のこの場所でめさめさ楽しい時間をどうやって共有するか、考えて考えて考え抜かれているステージだと思います。それがノーナの好きな音楽と合致しているのだとしたら、これほど幸せなマリアージュはないなあ。そう思ったらちょっと、涙が出てくるくらい、楽しくて幸せなライブでした。

大げさかもしれないけど「音楽に感動できる人間でよかった!」と心から思える、そんなライブでした。ノーナのライブはいつもそうなんです。「ノーナの音楽が」っていうよりもっと広い気がするので、敢えて「ノーナの」を付けないで言いたいくらい。いや、実際のところ自分は音楽なんて何もわかっていないと思うのですが、この、音とかメロディとか言葉とか、空気を伝わって私に伝わってくるもの全て、それをステージの上と下と一緒になって享受している、と感じることっていうのかな、それに震えることができる人間なんだよオマエは、と、言ってもらえているような気がしました。

一番空気を震わせる音については、もう、文句がありません。たとえギターのPAの調子が悪くなってもマイクがハウってしまっても、ぐいっと自分たちの流れに引き戻せる個人の力がありチームワークがありました。ゴータさん、声、決してベストコンディションじゃなさそうでしたけど、苦しそうな顔ひとつしないでギリギリまでアゲていく。本家は5度下げた「Last Christmas」をオリジナルで歌い通すっていう“演出”もウケました。小松さんは、ドラム、変えたのかな、あんな色のドラムだったっけ? 相変わらずダンサブルで多彩なドラミングでした。「Last Christmas」なんか、最初は確かに「Last Christmas」だったけど、だんだんノーナのリズムになっちゃっていくのがステキで凄かったな。オッケンさんのギターは、見せ場はあるけど色物はナシ、っていう堅実なギターで、アゲるというよりはうっとり。でもやっぱり「かっけー!!!」とワクワクしてしまうサウンドで。もしギターの勉強をしているKidsがいたら、お母さんは彼のステージを見せてあげると子供の将来のためにいいと思います!

真城さんのコーラス、ノーナでのコーラスが一番好きだな! ゴータさんの声ととてもよく合っていると思います。びしっとハマってハモるときなんて、ぞわわっと鳥肌が立つくらい素晴らしかったです。またノーナの曲って、コーラスにもちゃんと華がある曲が多くって! キーボード周りを預かる冨田さん、他のバンドで演奏しているときは、静かめでちょっと小難しい印象すらあったのですが、ノーナのときは終始ニコニコしてて、とっても楽しそうだし、ベースの茅ヶ崎さんは、いくらでも走っていっちゃうノーナのナンバーを、しっかりと支えていて、途中何度か興が乗って駆け出しそうになるリズムを、ぐっと、それもしれっと、戻しているところが、裏方指向の自分としては萌えました(ちょっとおかしい日本語ご洋車、じゃない、ご容赦)。

今回は特に、小松さんのドラムがぐっときました! ここんとこねっとりした感じのドラムを聞いていたからか、歯切れの良い、テクニックが脊髄反射の域まできたよなドラム、かっこよかった! ほんと小松さんの運動神経というか現場力というか、動物としてすごいなと思います。

加えてやっぱり、あの歌詞、みんなで大合唱できるあの歌詞がすごい。最近の曲よりも初期の曲の方が、日本語感が強いのですが、ダンサブルなナンバーに日本語がメロウに違和感なく乗っているんだよなあ。ほんと、普段はこっぱずかしくて口に出来ないような言葉、大きな声で叫ばしちゃうあの強さはなんだろう、と思うのです。

曲の構成、ライブアレンジ、ゴータさんのトーク、小松さんの天然(今回は、開始早々コンタクトがズレている!ということが発覚して、ゴータさんががんばってトークをゆるゆる引き延ばしているその後ろで必至になってコンタクトをはめ直して目をぱちぱちしていました(笑)←笑っちゃいかんってくらい、ご本人はほんとに必至そうでした)、そういったもの全てが、今夜は特別なんだって思わせてくれて、ああ自分今日ここにいれてラッキーだったなと思って、ほっとする感じとうれしい気持ちとが入り交じって胸に込み上げてきましたよ、ほんと。そういった意味では、クリスマスな気分でした。

まだ歌詞が固まっていないっていう新曲、仮の歌詞で、なんとなく、ゴータさんの言いたいメッセージはわかったような気がしました。あれがどう固まってくるのか…楽しみです。ノーナっぽい、ダンサブルでキラキラした曲でした。クラブで聞いたら楽しくなれるような。

今日ライブ聞いた場所もほんとよかったなー。ステージから有る程度近くかつこれくらいの大きさのハコだと、このポジションはコーラスの真城さんとメインボーカルのゴータさんの声が左!右!から聞こえてくるのです。あと、ドラムの音も直接腹に響くし。先に会場入りしていたユウコちゃんがこの場所にいてくれたんだけど、さすが!ありがとう!GJ!。

ゴータさんはよくMCで言うので覚えてしまったのだけど、ノーナはゴータさんにとって初めてのバンドなんだそうだ。初めてのバンドでこんなすばらしいメンバーに巡り会えて、ゴータさんはほんと幸せ者だなと思います。ゴータさんもそう言っていました。そしてゴータさんは、その幸せをちゃんと私たちにわけてくれることができる人でよかったです。こないだ武田双雲さんが言っていたことを思い出しました。大きな器で受け止めてたくさん溢れさせることができる人ってこういう人のことなんじゃないかな。そんなゴータさんがMCで、ノーナのことを「my lovely NONA」と言っていました。その言葉を聞いたら不覚にも涙が出ました。ちゃんと自分を愛せる人だからこそ出てきた言葉だなあ、と。自分のやっていること信じていること=音楽を愛しているからこそ出てきた言葉だなあ、と。

楽しかったねー、ねー!、と、ユウコちゃんとちょっと大声で笑い合いながら歩いた渋谷の街、とても暖かかったです。ウインドウやイルミネーションは、東京の今は確実にクリスマス前で冬なんだってこと、物語ってたけれど。

ノーナ最高!