こまつり@三宿webのDJ

nona reevesのみなさん主催の第三金曜日の三宿webのDJイベントDAYDREAM PARK。今月はノーナのドラマーの小松さんのお誕生日月ということで、題して「こまつり」。小松祭り、でした。

今日は、ノーナのギターのおっけんさんが別な方のツアーサポートの為に“欠席”で、代わりに、というか「代わりに」という単語を使うのは適切ではないくらいのスペシャルなゲスト陣だったのです。

Mellowhead佐野元春さんのところで共演もある、片寄明人さん、小松さんがドラマーとしてサポートしている堂島孝平さん、いつもノーナをコーラスでサポートしている真城さん、ベースでサポートしている冨田さん。そして、影のホスト・ゴータさんのプロデュースユニット「NEWNESS」のライブ。もちろん、ルーティンメンバー。小松さんの人柄とゴータさんのホスト力が偲ばれます。

私が行く前に「!」と思ったのは、片寄さん真城さん、です。伝説のロッテンハッツ、ツートップ! ロッテンハッツのライブは実は見た事ないんです(泣) お二人が同じ空間にいるのすら見た事ありません(前にメロへのライブに片寄さん真城さんが出たときは、“交互”にステージに上がっていたので)。それが見られるなんて。そしてどんな曲をかけるのか興味津々でした。

いつものカフェで夜食を取ってお友達とタクシーの中でバカ話をしながらいつもの時間にwebに。でも、いつもよりももう人がいっぱいでした。すでにお祭り状態に出来上がっている主賓・小松さんは、次から次へと来るファンの方のご挨拶に、ひとつひとつ丁寧に対応していらっしゃいました。

お友だちと、あたりの会話に耳を傾けながらゆっくり飲んでいると、次々とゲストDJな方々がやってこられました。フツーに「ちわー」みたいにお店にやってくる片寄さん真城さん堂島さん。ステキすぎます。キリンジ堀込泰行さんもいらっしゃいました。そして、カウンターの上には、小松さんがドラマーとしてサポートしている佐野元春さんからのお誕生日プレゼントの、シャンパンとカードがありました。

片寄さんのDJingは、クラブ時間的にはこれから上がっていこうというときに敢えての四つ打ち、という、たいへん男気のあるしかし片寄さんらしいプレイでした。会社とかですっごいイヤなことがった日に、お家に出張DJしに来てくれたら、この世の中のどんなブーなことにも耐えていけそうな気がしました! 大きな体をかがめて、丁寧にCDやレコードをセットするそのお姿を眺めているだけで、癒しでした。

真城さんは、文字通り男気のある選曲っぷりで。私の知っている曲が全然ありませんでした。どっかで聞いたことあるなーっていうのはあったんですけど。真城さんblogでwrote:「この日のテーマは片寄明人もいたので彼と出会った当時に聴いていたナンバー達にしてみたんだよ」。お二人が始めて逢われたのが高校生or中学生な頃だったのだそうです。

堂島さんタイムになったら、後ろから前にどどっと人が押し寄せてきて、潰されるかと思いました。いや冗談でなくて(^_^;) そして、みなさん踊るっていうよりは目をキラキラさせてブースの中の堂島さんの挙動を眺めておられた模様。あたらしいクラブの楽しみ方を発見した夜でした。

ゴータさんの選曲も、いつものように楽しかった(いつものようにって割と重要です)。今日がお客さんの前で歌うのが始めてってことで緊張しまくっている「NEWNESS」(2人組)のライブも楽しかったです。

でもこの夜は他にもいっぱいあった。もうそれは奇跡って呼んじゃってもいいのかも。

いつものようにご機嫌チャンの小松さんが、狭いブースの中で、フロアーにいる誰よりもデカいアクションで踊りまくりながらDJingしている。ノーナの曲がかかると、どこかしこから歌声が聞こえた。ここにいる人はみんな知っている歌だし。小松さんも歌っていた。そして。

スピーカーから爆音で「Young Bloods」が流れてきた。佐野元春さんの。

ブースの中で小松さんがclapすると、フロアーにいた人がそれに返して、爆音に負けないくらいのclapがフロアーに響いた。clapはやがて歌声に変わって、今日ここに集まってきた、さっきまで知らない人同士、小松さんが爆唱するのに合わせて歌っていた。「Young Bloods」がリリースされたのは1985年。このフロアーにいるお嬢さんたちの中には、「Young Bloods」がリリースされたときのことは記憶にない人もいるかもしれないなと思った。でもそんなこと関係なく、「Young Bloods」がリリースされて20年以上経っている今日、こうして、この歌を歌っていた。この歌を歌っている人たちが繋がっていた。これだこれ。これが音楽の魔法だ。音楽にしかできないことだ、と思った。

こんな魔法を人間は作ることができるのだ。

…最近、音楽、まあ音楽だけじゃないけど、著作物やその権利に対して、考えると、なんだかすさんだ気持ちになることが多かったのだけれど、それは私がこの気持ちを忘れていたからだと気が付いた。どんなパースペクティブで考えてもいい、でも、どこが気持ちの原点かを忘れないようにしなくちゃだめだ。忘れなければ、大丈夫だ。ああ、ここに佐野元春さんがいたら、どんなことを思ったのだろう何て言っただろう、と思った。もし自分がこの曲を作った人だったら、作った人だったら…どんな気持ちがしただろうか。


とても素敵な、夜でした。


P.S.#1
私の駄文よりも、ノーナのゴータさんが素敵な文を書かれていて、そっちの方が全然臨場感があってよいです。パーマリンクがないんでリンクできないんだけど…2007年11月01日記のヤツです。


P.S.#2
真城さんがDJしているときに、DJブースの横の窓枠から、片寄さんが顔を出して、肘ついてお酒を楽しみながら真城さんの選んだ曲に耳を傾けている絵が、とっても心にじいんときました。私は見た事ないけれど、ロッテンハッツってほんとうにあったんだな!と確信しました。その後、真城さんがブログで書いていた言葉が、また。

「お互いよくこんな調子でここまで音楽に携わってこれたもんだと誉め合い、またいつか一緒に何かやろうと軽く約束。それまで頑張ろうね!」

(泣)