GHEEE 2nd Live @ 下北沢SHELTER

ここ数日で一番懸念していた案件を済ませてほっとした気持ちで向かった下北沢。夕立があるかもと聞いていたけれど降られることなく下北沢SHELTER(駅近)に着きました。前にSHELTERに来たのは何年前だったか思い出せないくらい前のことだなあ、なんて思いながら。

最初からいる予定じゃなかったけど別にどこかでお茶飲んでまったりしてから行くっていうテのライヴでもないので、これも何かのご縁と対バンも全部見てみました。



最初のバンドはa flood of circle。予習なし。あ、そうか今日の出演バンドは轟音ギター繋がりなんだね、と、一瞬にしてわかる右ストレートなギターロック。3ピースバンドもいいけど、音的にはやっぱりギターは2本あった方がわくわくするなあということを改めて納得させてくれるような、素直な演奏、素直な歌詞でした。なんだか、スマパンの初期のころとか、Green Dayの初期のころとかに似ているかも。

今年のFUJI ROCK Fes.でROOKIE A GO-GOスレージに出演するそうなので、ルーキーさんたちなんだと思います。1st mini albumが7月にリリース!って言っていたし。でも演奏は、4人とも旧知の仲だぜっていうのが伝わる感じがしました。

ステージ上は暑そうでしたけど、ドラムの方、Tシャツ脱がないとなんないくらい熱かったですかね。あの脱ぐっていう盛り上げ方はもう21世紀なんだから辞めようよ。演奏中何度か、ギターやベースをぶん回すとヘッドで他の番度メンバーの顔をひっぱたいてしまうんじゃないかと思ってひやひやしましたが、間一髪で交わす!というスリルも。おう、ビール飲みながら演奏ですか、余裕がありますねー、とかも思いました。まあ、そういうの全部含めてルーキーなのかなと。若いのね、と、思いました。



次、つしまみれ。これも予習なし。轟音にヤラれた耳に頼らずチューニングボックスを使ってギターのチューニングをしているのには好感を覚えました。でも、MC中にやるんだったらメインのラインを切ってからやって欲しかったです。一音だけ来ると結構耳に障ったです。

個人的には...あーこーゆーこと私も高校生バンド時代にやった! やりましたわ! すみません! あのころはバカかつ世間知らずでした!...的思いが胸に去来し、とても他人のステージを見ている気分にはなれず、胸がイタかったです(^_^;)。ベースの方が踊り狂いつつあの重いベースを弾きまくるのはすげーなーと思いましたけど、あんまり踊り狂っていないときの方がよい演奏が多かった気がしました。ビジュアルも大切だけど...がんがれ! 

しかし、なんつーの、萌えパンク? ステージよりもオーディエンスが気になってしょうがなかったです。ちょっと私には萌えどころがわからなかったです。すみません。

っていうか、ステージからダイブするときお客さんを退かしてからダイブするのってどうよ? そこビミョーに信頼関係なくね? 飛ぶならちゃんと飛べよ! ファンならどんなことになっても受け止めろよ! でなきゃやるなよ! ...はっ、すいません、アタシとしたことがつい熱くなっちゃっておほほ。でも、かつてベース持ってダイヴしてきた人を受けとめて前歯2本折ったことのあるアタシならこれくらい言ってもいいのでは、と思います。(あ、受け止めてないかも。ただ下敷きなっただけかも。)(シカゴだったかデトロイトだったか、で、パンク祭りに行ったとき、ダイブを受け止めて鼻血だの流血だのになっていた人にプロモーター風な人が近づいてきて、がつっ、がつっ、と札束を握らしているのを見たことがあります。アメリカってすげーなーと思いました。まる。)

来月、だったかな、渋谷クアトロでワンマンだそうです。日本も景気が良くなったんだねえ、なんて、お友達と頷き合いました。まる。



で、GHEEE。まず、前2バンドに比べて、ステージ上のたたずまいが、地味で。ドラムのYANAさんが写真よりもちょっと長髪になってて「あー」と思ったけど、他は普通に普通、というか。ヒサヨさんは普通のお姉さんみたいだし、近藤さんはいつもの長袖シャツボタンダウン仕様色違いだし、深沼さんも多少Tシャツの袖の長さが違ったりGパンの色が違ったりしているけどあんま変わっていないし。

淡々と、というか、粛々と、準備をしているのが目の前に展開されていて、えーと...なんて思っていたら、1曲目が始まって、どっからパンチが来たのかわからないままKO!みたいな、そんな衝撃を受けました。

いやもともと上手い人々なんだけど、今日はもっと、こないだより、バンドとしてまとまっていて、でもまだ方向模索中!っていうかまだまだ着地しねーよ!みたいな、いわゆる「若さ」っていう言葉で代表されるイメージみたいなものもふつふつとあって。そりゃそうだ、まだ2回目のライヴなんだから、え、でも、でも...客を煽らないどころかメンバー紹介すらなかった。MCもなかった。アンコールのときにちょっとなんかメンバー同士の雑談をマイクが拾ったのを聞きました、っていうのが唯一のMCだったような気が。でも、圧倒的な楽曲のカッコよさ、歌詞のunknownさ、演奏のキメ、に、ああもうヤラれてしまいました。ぶわーっと鳥肌が立ったね!

今日は、ライヴハウスの音響がよかったのか、自分のいた位置がよかったのか、ボーカルの声も、ヒサヨさんのコーラスまでちゃんと聞こえて、ギターの音もちゃんと聞こえて、こないだ逃しちゃったものがちゃんとgrepできて、自分の中で俺様勝手GHEEE像がだいぶはっきりしてきました。近藤さんと深沼さんのユニゾン、今日はちゃんと聞けた。なんだか、ヴァイオリンのカルメン・ファンタジーみたいな感じだなあと思いました。

それで、ここ数日、PLAGUESの映像見たりだとか佐野さんの「COYOTE」をほとんど毎日聞いていて思ったのだけれど、GHEEEの深沼さんにはMellowheadっていう、深沼ミュージシャン歴を貫きつつ超えつつ重ねつつ今日に至る的な"本流"とは、別のところにできた一個なんじゃないかなあ、と。「COYOTE」の深沼さんは私の知っている深沼さんと違うー、と思っていて、最初はちょっとそれに違和感を覚えたのだけれど(違和感は覚えたけどやっぱりステキでカッコ良かったんだけどね(^_^;))、そりゃ誰だって普通どこでも同じIDっていうわけじゃないよね。

でもGHEEEは、もっと切り離されているというか...Mellowheadの延長上でも、継承上でも、ない気がするのです。でも確かに深沼さんなんだよなあ...!

それで、今日のGHEEEのライヴのことを、人に話したりメールに書いたりしながらだんだんわかったことは、GHEEEは深沼さんの何か、じゃなくって、深沼さんにeffectしているんじゃないかなあ、ということです。繋がっているんだけど、〜上にはないもの。でも、確かに、繋がりがあることがわかるもの。それが、どこかで、わかるもの。いろんなものがうわっと、ここに!って集まって吹き出してきた、そんな感じ。それを"本流"上に置く事はできなくて、でも現したいんだよっ!っていう、性。

これってなんだろうね、ってメールを書いていて、あっと思った、それって「GHEEE」のアルバムジャケットじゃん!

やられたー!と思いました。びっくりして涙出た(笑)。あんまりにもびっくりしたので、最近見つけたC.C.R.の69年のライヴ音源のこと話さなきゃ、が、完全に頭から飛んでしまっていました。(忘れないようにしておかなくちゃ。)

でも...吹き出してきた割にはストレスとかバイオレンスとかいうようなのは感じないんだよね...GHEEEのメンバーのお人柄でしょうか。別に上半身ハダカになんなくったってステージでビール飲まなくったって充分凶暴になれるのだよ。ねえ。

メンバー一同前髪をかきあげる仕草がシンクロする瞬間があったり、とか、思い出したように言う深沼さんのメタタグ「どうもありがとう」、とか、アンコール曲だけに使った新しいギターのエッジの聞いた音、とか、そのとき折っちゃったギターのヘッド、とか、しれっと手を挙げて退場していく、とか、みんなみんな、だれかのどれかのeffectで、次の曲に次のステージにeffectしていく、そしてきっと、どこかで誰かの"本流"にもeffectしていくんだなあ、と思いました。私は、GHEEE自身がこれから成長していくのも楽しみですけど、誰かの本流でいつか、ふつ、ふつ、と、GHEEEの影響が顔を出すのを...牙をむく、かもしれない...が、楽しみでならないのです。



ライヴ後恒例、えっらい大きな声で話をしながら表を歩いて、近くのカフェに行って、さっき見たこと聞いたことの話を、これまた大きな声で、する。

こういうのスゴく好きだったのだけれど、今日は、たぶんみんなの「ひゃあ耳ガンガンだねー」と私のは違うんだな、そしてもう今日と同じ風にガンガンすることはないんだな、と思いました。

今更ながら自分の痛みは、こんなステキな体験と引き換えにしてまで無くしたかったことなのかな、と思ってしまいました。なんだか自分がとても根性のない人間のように思えてきて情けなく感じることが、あります。でも、自分で選んだことだし、もう後戻りはできないのだけれどね。いいんだ、それよりも今日のことを忘れないようにしなくちゃ。忘れてもなんとかして思い出せるくらい、あちこちに刻んで、おこう。