ロジャー・ジョセフ・マニングJr.@渋谷Clubクアトロ

ええと、切り抜きを取っておいてコメント&アップするのを忘れていた、朝日新聞(朝刊だったか夕刊だったかも忘れた)のステージ評、ロジャー・ジョセフ・マニングJr.@渋谷Clubクアトロ、10月30日について。

ロジャー・ジョセフ・マニングJr.って、ジェリーフィッシュのときにはロジャー・マニングって言ってたような…。セカンドネームはジョセフだったんだね、あと、Jr.なんだね、お父様も音楽をやっていらっしゃる方とかなのかしら(妄想)。

本国より日本での人気が高いアーティストは意外と多い。中には母国では契約さえないが日本で爆発的に売れているという例もある。それだけ我が国の音楽ファンは独自の“耳”を持っているということなのだろう。

「母国では契約さえないが日本で爆発的に売れている」って、例えば誰なんだろう? 

確かに日本の音楽ファンは、独自の“耳”を持っていると言えるような気がする。このジャンルだけしか聞かない!っていう人はあまりいないし、歌詞の言語がわからなくても聞いたりするし。しかし、何が良くて流行ったのか何がダメで廃ったのか、というのは、よくわからない節がある。まあこれは日本の、楽曲の流行廃りだけに言えることではないことかな。

90年代にジェリーフィッシュというポップバンドで活動していたロジャー・ジョセフ・マニングも日本に熱心なファンを多く抱える一人。バンド解散後はBECKなど人気アーティストのサポートもつとめているので本国アメリカで評価されていないということは決してないが、ビンテージの機材をそろえたスタジオに閉じこもって仕上げる緻密な音作りを最も理解しているのはおそらく日本のリスナーだろう。

本国アメリカにいるときには、ロジャーがジェリーフィッシュの次に組んだバンドのことなんて知らなかった、っていうか、耳に入ってこなかった。日本に帰ってきてからだだよ。

現に、ソロとしては初の単独日本公演となるこの日も、最新の人気バンドには興味はないが、マイナーだけど良質なポップスは知っているというようなマニアックな客であふれかえった(10月30日、東京・渋谷クラブクアトロ

どどど、どんな客ですか(^_^;) 

アルバムの作詞、作曲、演奏をすべて一人でこなしてしまうような職人肌だからか、ステージ中央でキーボードを引きながらマイクに向かう姿にはどことなく戸惑いも見られる。歌も決して上手くはないし、地元ロサンセルス周辺の仲間たちを従えた演奏もぎこちない。しかし、クイーンのカバーに始まり、エルトン・ジョンのナンバーに終る折り目正しいポップ趣味、人なつこいメロディーを複雑なコード進行に絡ませながら、あくまで3、4分程度の中で料理するような鮮やかなソングライティング・センスは、慣れない生演奏というハンディをモノともしない輝きを見せていた。

あれ?

「スタジオに閉じこもって仕上げる緻密な音作り」、「アルバムの作詞、作曲、演奏をすべて一人でこなしてしまうような職人肌」、「人なつこいメロディーを複雑なコード進行に絡ませながら、あくまで3、4分程度の中で料理するような鮮やかなソングライティング・センス」って、F沼M昭さんのコトみたいですね(^_^;)

そう思ってみると、このステージ評記事のロジャーの写真、F沼M昭さんに似ている! Roland X8の前で伏せ目がちにしている写真の、たたずまいとか顔立ちとか、オシャレなところとか、髪型(延ばしているとき)とか、細身のところとか、色が白いところとか、意思の強そうな眉とか。あとあと、ライブのとき、すっごく楽しそうに幸せそうにしているところとか。あ、でもロジャーって目がくりくりっとしているんだよね。F沼M昭さんは、目、細い感じ。

っていうかさ、ロジャーのアルバム「SOLID STATE WARRIOR」の趣味性といい完成度といい、被るなあ!

ロジャーも宅録かしら?

そして「これだけの曲が書ける若手がどこにいる」とでも言うような送り手のプライドと、それを「そのとおり!」とばかりにしっかりと受け止めるオーディエンス。ヒットチャートとは無縁ながら、こうした信頼関係のもとに成立するポップミュージックが日本にはある。

ロジャーは、そのキャリアからすると若手とは言えないだろうと思うのだけれど、何歳なんだろう? 「ヒットチャートとは無縁」な「ポップミュージック」って言葉はちょっと違和感あるけど(わざわざポップミュージックって言わなければいいのでは、と思うんだけど)、「信頼関係のもとに成立するポップミュージック」って言葉はいいな!と思いました。そしてそれって、ますますF沼M昭さんみたいでないの〜。

でもね、ロジャーとF沼さん、曲は、全然違うと思うけどね。ロジャーの方がポップ(やっぱりポップなのかな?)でF沼さんの方がロックだと思う(ロック、って、似た言葉って意味じゃないよ:-p)でも、歌詞の景色感と形式の色みたいなのが似ていると思う。きっとたぶんね、好きな食べ物とか、好きな女性の好みとか、似てるんじゃないかなあと思いました。

長らく封印していたジェリーフィッシュ時代の楽曲を一曲披露したのは、そんな日本の理解あるファンへ、ロジャーからの恩返しだったのかもしれない。

もしほんとうにロジャーがそう思ってくれたのなら、うれしいなと思いました。フジロックのこともすごく買ってくれていたからなあ。

ロジャーのファンとして、うれしくなっちゃうような記事で、よいな、と思って、この記事を書いた評論家さんのお名前を見てみれば岡村詩野さん、とのこと。あれどっかで見たことのあるお名前だなーと思っていたら、なんとなんと以前barksF沼さんのプロジェクト始動した際にインタビューしていた方だったよ! なるほどなるほど…。