パン・ド・カンパーニュ

パン・ド・カンパーニュは「田舎パン」っていう意味なのだが、その定義は「ルヴァン(天然酵母)を使用し、長時間醗酵させて焼いたパン」ということらしい。天然酵母なのでふんわりというよりはしっとりどっしりしてて、醗酵させるときに入れておく籠バヌトーンの形からあんなふうな岩みたいな形になるみたい。

とはいえ、我々が日頃目にするパン・ド・カンパーニュは、製品化に際して不均一では商品にならんわい、ということで、粉の配合も本来のそれとは違って食べやすい配合に変えたり、膨らむようにイーストを使ったりしているみたいです。

でも、neatで凝り性の日本人パン職人さんたちと好奇心旺盛な東京の消費者たちは、フランスで売っているそれよりももっと本来のパン・ド・カンパーニュに近いパンを育んでいるようです。

東京でみつけたおいしいパン

東京でみつけたおいしいパン

私の東京近郊のパン屋さん情報は97年でとまっているので、脳内DBアップデートの為に1冊購入してみました。父がパンを焼くので、実家に帰るときのお土産購入のガイドに。

陳列棚の写真に光るものがあります。地図・住所・TEL・営業時間・定休日・アクセス方法などきっちりと掲載されているして、お店の入り口写真も掲載されています。入り口写真! 看板とか目立たないお店も多いので、これはありがたいです(住所と地図を頼りにお店を探して、結局たどり着けませんでした、なんてことがよーくあるのだ。私だけかもしれませんが)。著者さんや編集者さんが、普段実際に足でお店を探していらっしゃる方々なんだなあと思いました。

比較的新しいお店とか、隠れ家的なお店とか、若い人がやっているお店とか、よく網羅されているのですが、「えぇ、ドイツパンっていったらこの店の名前はまず挙げるべきではないの?」とか「うーん、フランスパンっていったらこの店だよねえ」という感じのお店が取り上げられていません。著者さんや編集者さんがその店のことを知らないってことはないと思われる有名店です。他の本には掲載されていたりするので取材拒否ってこともないと思われる店です。諸事情がおありかとは存じますが、リスペクトを表するという意味で、それらのお店は是非掲載していただきたかったなあと思います。

有名店以外のお店で、自分が知っているお店が掲載されていないと、逆に、ちょっとうれしかったりするので、人間ってまあやっかいな生き物ですね。この本の後ろにそのお店のレシートとかチラシを挟み込んで補完しています。

最近自分がよく好んで食べているカンパーニュのひとつは、成城石井の「クランベリーとナッツのカンパーニュ」。クランベリーが好きなのです。サイズもお値段も、お手頃です。