Curly Giraffe@恵比寿Liquidroom in "riddim saunter presents COLLAGEALL"

この日はライブに行けるような状況だったらいいなあという願いをこめて買っておいたチケットでした。で、状況は...とてもライブになんか行ける状況じゃない、を通り越して、ちょっと3時間くらいライブに行けなきゃやってけないよ!という状況でした(^_^;)

さて、例によって全く下調べをしないまま今日(しかし忙しくて時間なかったのだ)。Curly Giraffeしか知らない状態でライブ当日を迎えてしまいました。Curly Giraffeは、いくつかライブをミスしていて、もしかしたら今日1年近く振りとかそんな感じでした。高桑さんの音や、ベース弾いているとこは、しょっちゅうテレイビ・ラジオiPodで拝見拝聴しているのですが。


小雨のぱらつく中、恵比寿のLiquidroomへ。傘をささなくても行けるかなーと思ったのですが、駅のホームから改札を出るまでの間に随分と雨脚が強まってしまいました。でもLiquidroomはちゃんとロッカーたくさんあるからあんまり心配していないのでした。

開場から30分くらい経っていたので、別に並んでいる人もいなくって、フツーに入場。荷物とジャケットと傘をロッカーに放り込んで、ラウンジで一杯... やったら一気に疲労感に襲われてライブどころじゃなくなる...ような気がして、とりあえずフロアーの方に移動してみました。開演20分くらい前だったかな、フロアーの半分くらい埋まっていたかなあ。この手の箱の傾向か、フロアーがまだ空いているのに壁だの奥まったところに人が屯っていました。早くもしゃがみ込んでケータイしている若者とかもいて、ちょっと、なんだかなあ〜という雰囲気。お客さんの年齢層は大学生がマス層っぽかったです。しかもみなさん、3人とか4人とかの複数人で来ている模様。もしくは会場待ち合わせ、とか。バンドのTシャツを着ている人やバンドのタオルをもっている人の割合が、他のバンドやアーティストのライブやコンサートよりは多かった気がしました(ジャニーズと氷川きよしを除く)。

開演前にスタッフさんたちが最後のステージ調整をしているときに、ステージ上がえっらくシンプルなのに気が付きました。よく見ると、マイクの高さが、低い。高桑さんだったらマックス伸ばされているはず。そこで、あーそーいえばもうバンドゲストが追加になったってCurly Giraffeのサイトに書いてあったなーと思い出しました。私はバンドの名前をよく知らなかったのだけれど、イギリス在住の友人に話したら「え、日本に? 来るの? まーじでー!」という返事が返ってきました。それを思い出してちょっと楽しみに待っていたら、客電が落ちて、ステージに現れたのは、端正な甘いマスクのおにいさんと、やや長い髪&ヒゲの、もっさりしたおっさん2人。日本人じゃないみなさんでした。観客もちょっとざわっとしました。あ、でも、彼ら目当てっていうファンの方もいらっしゃる感じでした。

バンドの名前は、Matias Tellez(あれ、もしかして個人名義?)。ノルウェーのバンド、らしい(この後に及んでまだ調べていません。iTuneで1stアルバムはゲトしたんですけど)

明らかにアウェー感漂う会場にがつっと流れて来たのは、おおっ由緒正しいUKロックの音!...なのに、ちょっとどこかちがーう! 会場にいる人何人かは即座に反応しました(その人たちはおそらく、本日Curly Giraffe目当てで来た方だと思われます)。甘いマスクのおにいさんが、ボーカル兼ギター。ギターの構える位置、高め。おっさん(といいつつ、多分、私よりも全然若いと思います)のひとりがベースで、もひとりがドラム。このおにいさんがメインマンっぽくって、サウンド的にもギターとボーカルが全面に出ている感じなのですが、そのギターが、おにいさんの柔っぽい容姿とは裏腹に、キラキラしたリフの連発! ギターとツインボーカル、みたいな感じでした。ブリティッシュ・イングリッシュ、よりなんだけど、それよりももっと甘い響きのある英語で、それにこれまた甘めの歌詞。でもなんかスカッとしていて粘着がない感じで、聞いているとなんか自然と顔がほころぶ感じ。もうバリバリおばさん目線ですけど、一生懸命盛り上げようとしているところと自分自身が楽しんじゃっているところが交錯してステージアクトに現れてきて、それがカワイイというか、若者っぽくて清々しいなーと思いました。きっと若いころのジョンやポールってこんなんだったのかなーなんて思ったりして。

しかし、にやにやしながら聞けないものがありました。演奏が、すごい、完成されていたのです。ともすれば舞い上がっちゃって一人浮きがちになっちゃうであろうおいいさんを、おっさん(っぽいおにいさん)ふたりのリズム隊がサポート、と書くと、たぶんこのステージのことは言い表せないのではないかと思うほど、リズム隊がひとりひとり個性があってすばらしかったのです。確かにサポーティブなんだけど、その音が、おにいさんほどポップしていないのにしっかりときらきらとしてて、おにいさんのサウンドから離れていない。ベースとドラムってこんなメロディアスだったっけ?というほど、メロディアスでした。なのに、ベースキックがきっちりきっちり有る音。ドラムセッティングを見ると、ハイハットとかすっごく低くセッティングされて、バスドラにモロ被りで聞こえてくるハイハットの音とかちょっと、そこだけ取り出すとねっとりしたリズムの感があるのですが、ちょっと引いて全体を聞くと、不思議ととっても合ってて。ベースの音は、また今までに聞いた事のないベースだなー!という感じがしました。私の中で“多彩”なベースっていったらトミーさんのベースなんですけど、その多彩さとはまた違った彩があるベースでした。なのにこれまた、演奏者の容姿のようにどっしり落ち着いているのです。不思議なサウンドでした。

MCは当然、英語でした。会場のみなさん、今日、chocolateの正しい発音を覚えたんじゃないでしょうか。そう、「チョコレート」、じゃないんですよね(^_^;)

Matias Tellez、ちょっとこれから聞いていこうとおもいました。まだまだガレージ感が抜けていないサウンドもあって、あれがちゃんと洗練されてきたら、かなりよいバンドになるんじゃないかなと思います!

Matias Tellezの次がCurly Giraffe。オルガンが運び込まれたりとかしてちょっと時間がかかりました。真ん中に置かれたマイクが、ぐいんっ、と伸ばされて、キリンさんの登場の合図です。調整しているオルガンの音や、ギターの音が、もうCurly Giraffeで、ああこれこれ!と思ってわくわくしました。やがて、高桑さんが出て来て、最終的なマイクの高さとか音の確認を始めました。ステージの前の方にCurly Giraffeが目当てで来た人がちょっと移動したりしました。しかし、たぶん今日初めてCurly Giraffeに遭遇するのであろうそろいのTシャツを着ている若者は、「うわあの人、背、でかっ!」「髪、長っ!」「あれ、対バンってメタルバンドだったっけ?」とか言っていました。長髪なミュージシャンはメタルってそれ偏見ですからー(SOYJOYのCM豊川悦司風に)!

一旦みんなステージからはけて、客殿が落ちて、ばらばらっと今日のメンバーが出てきました。去年のクアトロの布陣です。不動のメンバー。みんなそれぞれセッティングをはじめ、誰が合図を出すともなく演奏が始まりました。

一曲目で、ああ、今日来てよかったなあと思いました。CDになったクアトロの音よりもさらに緩くなっていました。緩いというか、練れてというか。でも熟れた、というのではない感じです。演奏者のみなさんの中では、クアトロのステージとかの延長線上に今日のステージがある、という感じなのかもしれませんが、私の印象は、これは全く別なサウンドになったんじゃないか、と思いました。とても印象的な高桑さんの声、それが、前よりももっともっと演奏に溶けていた。そして時には、演奏の方がメインで声という楽器がサブというかサポートというか、そんな印象を受けました。

このバンドの面々も、ハンパない演奏の上手さで、それだけでも心をゆさぶるものがありました。きっちり揃えるところはきっち揃えて、またふーっと離れて行く、また戻る...緩まっていく、というののひとつの具現は確かにこれだと思いました。CDのクアトロの演奏って、最初の方、ちょっと緊張感っていうか固さがあったのですが、今回は最初っからもう、緩まっていました。

Curly Giraffeの曲は、そんなに何度も繰り返して聞くっていうんじゃなくって、ときどき思い出したように聞いているのですが、今日、自分が、ほとんどの歌詞を覚えていることに気が付きました。歌いながら辿ってみると、Curly Giraffeの歌詞はすごいシンプルで、メロディーへの寄り添い方も無理がないんだなあと思いました。歌ってて気持ちいいのは、メロディー? 歌詞? それとも高桑さんの声が側にあるから? とにかく、ただ聞いているよりも気持ちがよかったのです。もしかしたら、自分、Curly Giraffeを聞いているときは自然と歌っちゃっているかもしれません。もし、英語がなかなか好きになれない中学生がいたら、Curly Giraffeの歌を歌ってみることをオススメします。この歌詞を覚えてメロディーと一緒に口をついて出てくるようになれば、きっと英語が好きになるはずですよ!

「緩くいきますんで、楽しんでってください」って、高桑さんもMCで言ってて、ほんと、緩くて楽しかったです。途中で寝落ちしちゃうかと思いました。何度か危なかったです(^_^;) なんて思っていたら、ライブが終ったとき、近くにいた3人連れのグループのうちのひとりが「あたしー、あんまり気持ち良くってぇー、立ったまま寝ちゃうかとおもったー」って言っていました。

やっぱライブっていいね、とかも思いました。次はインストアライブがあるみたいなんですけど、行きたいなあ〜。

で、キリンさんが終った後はメインのriddim saunterだったわけですが、キリンさんチームがはけると同時におきゃくさんたちがどどっと押し寄せてきたので、私はフロアーから退散しました。riddim saunterについては全く知りません。これなんて発音するのかすらわかりません、すみません。

今日のゲストの演目から、こんなバンドなのかしらん、と想像しているものが私なりにありましたが、全然違っていました。爆音!爆走!暴走!みたいな。縦揺れ系でした。1曲目は、なんか日本語じゃない言葉の曲なんだけど、結局最後まで何語かわからなかったです。でも、あれだけステージ上を飛び跳ねて動き回って、していたにも関わらず演奏がそんなに乱れていない、ということには驚きました。おっずれたヤバい!というところが出ても、ちゃんと次のタイミングで合わせてきます。ライブ慣れの賜物か...いや、テレビに出てたってちゃんと演奏ができてない若者バンドが多い昨今に、これはエラいなと思いました。これだけの若者の支持があるのは伊達じゃないなと思いました。2曲目で、なんとドラムが別な人と交代。ドラムが変わると曲調変わるねえ。同じバンドにドラムがふたりいるって、けっこう強みかも、と思いました。

と、仕事があったので、ここで会場を後にしました。帰りに、舞台袖からriddim saunterのステージをじいぃと見ているMatias Tellezのメンバーがいました。ちゃんと見ててえらいなあと思いました。でも、なんて思っていたかな...