Larry Page氏結婚に寄せて(?)

Googleの創設者のひとりLarry Page氏が、来月結婚されるそうです。

http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2007/11/13/BUV6TB3HH.DTL
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20361111,00.htm

(´・ω・`)
Larry Page氏のハートを射止めたラッキーガールはLucinda Southworthさんとおっしゃるそうです。記事によると、Southworthさんは、2001年にペンシルベニア大学を卒業→オックスフォード大学理学修士号修得→2003年からスタンフォード大学大学院の博士課程に在籍し、生物医学情報科学を専攻していらっしゃった才女。在学中はPage氏とよくデートしていらしたそうです。なーんだ、そんな前から“予約”が入っていたのね、ちぇっ。

Googleの創設者のもう一人のSergey Brin氏も今年の5月に結婚されています。

あー残念

…ってことが言いたかった訳じゃなくて。Southworthさんの専攻が「生物医学情報科学」ってところに、なぬう、と思いました。Googleバイオインフォマティクスの技術を検索エンジンに搭載する気か?!

いやもしかしたら、Googleは、個人の遺伝子情報を検索対象ににして、その結果を「個人を知」り適切な検索結果を提示することに役立てようとしているのかもしれない。個人の遺伝子情報にメタ情報を付けて、何かに使おうとしているのかも知れない。

というのは、Sergey Brin氏の奥さんはAnne Wojcickiさんとおっしゃるのですが、この方が共同出資して「23andMe」という会社を作っているのです。Googleも$3.9 millionと高額出資しています。

http://23andme.com/
http://23andme.com/index-2.html

この会社、創始者トップ陣が全員女性っていうのもインパクトがあるけれど、

Our goal is to connect you to the 23 paired volumes of your own genetic blueprint (plus your mitochondrial DNA), bringing you personal insight into ancestry, genealogy, and inherited traits. By connecting you to others, we can also help put your genome into the larger context of human commonality and diversity.

他、プレスリリースとか読んでみるとどうも、個人の遺伝子情報を、個人情報として、個人資産として使用することを支援する、こというサービスをするらしいのです。それを個人にアクセシブルな形で提供=webベースだそうです。サイトやプレスリリースを見ると年内ローンチ予定だった模様ですが、今のところまだ正式サービスは始まっていない模様です。遺伝子の解析については、遺伝子解析ツールなどを開発しており業界ではそれなりにBig Nameなllumina社と組んで行うとのことです。

http://www.illumina.com/
http://prohostbiotech.com/news_details.php?news_id=300&PHPSESSID=f8d7c1bb8e8ef796b858d17e59babfa2

自分の遺伝子情報を送る(これは物理的に、例えば唾液とか髪の毛とか爪とか、なんかそんなもんを送るのでしょうなあ)と、遺伝子型が分析されてサイト上にアップロードされ、ユーザーはその情報を自分の情報とでき(って、どこかで認証が発行されるのかな? あ、認証のの発行自体をこの会社がやればいいのか!)利用はもとより、公開・共有もできるようになるみたいです。ほんとか( ゜Д゜)?!

私はかなりシリアスなアスリートだったので、度々、自分の生理学的な解析を行う機会がありました。それが先天的なものか後天的なものかは解りませんが、「あなたは◯◯です」という情報をいくつか知っています。それはスポーツを行う上だけではなく日頃の生活にも役立っています。例えば、あるときの検査により私は、炭水化物を糖に変える能力がとても高い、ということがわかりました。この検査をしたのはアメリカでだったのですが、普通のアメリカ人よりも3倍近いとのことで、検査した先生もびっくりしていました。一般的にアジア人はこの遺伝子を持っているようで「貧乏遺伝子」と俗称されているそうです(^_^;) ごはんの国のヒトだから〜♪ よく解釈すれば、ちょっとの炭水化物の吸収でもそれを確実にエネルギーに変えることができる、というわけです。なので私は、日頃、炭水化物の取り過ぎに注意しています。

先頃かなり大きめの手術・入院した際に、またどうも今年の秋から始まったらしい花粉症っぽい症状を確かめるために、血液その他の“個人データ”を取って検査を行いました。これらのデータがもっと日常に活用できるとしたら、公開することで何か得られることがあるとしたら、ステキかも、と思います。

例えば、自分と同じ花粉症アレルギーを持っている人っていうのが検索できたら。その人が日記で「那須に紅葉を見に行ったんだけど、大丈夫でした」なんて日記を書いてくれてそれを検索することができたら。今まで秋花粉症でお天気が良い日でも外出することができなかった人も、紅葉を見に行くチャンスができるかもしれない、なあ、と。23andmeがどんな風にサービスを展開するのかわかりませんが、いろいろな可能性があるような気がします。

しかしbright sideばかりでもないことも承知しています。遺伝子情報は自分が死ぬまで変えることのできない本当の意味の個人情報。一旦流出してしまったらはいチェンジなんてことはできません。それを知ることは難しいけど、それを知ったら複製することは、現代の技術でも充分できるでしょう。公開には慎重にならざるを得ません。便利とどこまで引き換えにできるのか。私は未だに「手のひら認証」や「指紋認証」を使用するための自分の静脈のデータや指紋のデータを銀行というイチ企業に公開する気にはなれないでいるのです。

犬や馬などの家畜の遺伝子解析サービスや、そのデータを活用する試みは既にいくつかあります。

http://www.nordgen.org/ngh/english/index.htm

犬は、犬種に寄っては遺伝上起こることが判明している病気や症状があり、事前に知っておいた方がよい場合があります。例えばゴールデン・レトリバーの股関節形成異常とか…。そこで、オーナーさんが自分の犬を登録してデータベース作成を行っているものもあります。

http://www.k9data.com/default.asp

ニンゲンのデータを活用するサービス、それもそれをweb上でやるっていうこと、何か新しいことが始まる気がします。でもその活用にはやっぱり慎重にならなければならないと思う自分もいます。いやいやこれも、慎重になる前にまあやってみろ、って感じのことなのでしょうか。でも、ねえ…。