Grapevine @ 渋谷C.C.Lemonホール

バンド結成10周年記念ライブ。熱心なGrapevineファンのおトモダチにチケットを融通していただいて、こんな末端ファンなワタクシでもこの寿なライブに参加することができました。(ありがとう!>おトモダチ)

チケットには、ツアータイトル/バンド名は「GRAPEVINE」としか印刷されていなかった。特に10周年記念グッズ的なものも販売されていなかった。でも、ファンのみなさんに取っては、それはそれは特別な夜になったみたいだった。

ちなみに、渋公へ行くのはC.C.Lemonホールになってから初めて、でした。

このライブ、私にとっては、演奏された曲のほとんどが初めて聞く曲だった。それとは対照的に、曲のイントロが始まる度にわあっと挙る歓声、顔を見合わせて喜び合う人々。そ、そうなんだー( ゜Д゜)と思いながら、ひとつひとつのコードを歌詞を拾って行きながら曲を聞いていた。どの曲がどれくらい前の曲なのかもわからないまま。前は、Grapevineにはもうひとりメンバーがいたことも(見事な末端ぶり(^_^;))。

ライブセットだから、なんか、ライブで盛り上がりますよー的な曲が多い感じだなあと思ったんだけど、ライヴが終ってから聞いたところによると、演奏された曲のほとんどがシングルとカップリング曲だったそうです。あと、10月に発売されるニューシングルと、ライブその日に10th Anniversary Special Package再販となった97年発のデビューミニアルバム「覚醒」の全曲っていう感じだったらしい(見事な末端ぶり2(^_^;))。10年間を一気に今日まで駆け抜けた的選曲だったのね。それぞれの曲がその時代と全く結びついていない自分にとってはあまり古い曲だなとかそんな印象は受けなかった。ただ、最近の曲とはちょっと違うな、くらいだったなあ。

アルバムも殆ど持っていなくて、いつも聞いているのもDVDとかYouTubeのライブ音源なのだけれど、っていうか、なので、それでも何度も聞くから歌詞を覚えた数曲に関しても今日は、他の曲同様、初めて聞くような気持ちで聞く事ができた。不思議だ。あれなんで自分歌えるの?と思うくらいだった。懐かしさはないけど、確実になにか、自分の中で積み上がっているなあと感じた。

それにしても、声という楽器と歌詞と特にギターの音ががっちりと組み合わさってて、コレ以外のアレンジすら考えられない!というくらいの固さで訴えてくる彼らの楽曲は、いつ聞いてもライブ感がある。その時感、っていうのか。って、ライブでしか聞いていなんだけど。でも、そういう聞き方ができるのは幸せなんじゃないかって思えるくらい、Grapevineのライブが好きだ。ギターの亀井さんがちらりと田中さんを見て、そのあと田中さんがちらりと亀井さんを見る、その視線の重なり合わなさ加減、これが10年の間柄ってヤツなのかなそれとも同じモノを見ている者同士ってヤツなのかな。そんなのも含めて、好きだ。

曲が時代と全く結びついていない、ってさっき自分で言ってみたけど、あれ、嘘、で。数曲に関してはその曲を教えてくれた人が結びついている。当時海外に居た私に「今オレブームな邦楽」をCDに焼いて送ってくれた友人がいた。そのCDに入っていた曲だ。その後アルバムを送ってもらったりしたのだけれど、アルバムの方はあんまり聞かないでその1曲だけよく聞いていた。曲名がなかなか覚えられないでいたのだけれど(私の場合、別にGrapevineの曲に限らず曲名を覚えるのが苦手だ)今日の記念に覚えることにした。その曲は、

「光について」

っていうんだそうです。

その友人は去年亡くなった。彼が生きていたらきっともっといろいろGrapevineの話をしていたかもしれない。彼も今日のライブに行っていたかもしれない。しなかったもしれない。まあ、わかる術はない。まあいいや、いいけど、ありがとう、今私はGrapevine聞いててよかった!って思うし、Grapevineが好きなお友達もできて、みんないい人だから、君に教えてもらってよかったなあと思うんだー。

後は…せっかくイスのあるホールだったのに、ほとんど座らなかったなあ。でも荷物を置いておけたのは有り難かった(会社帰りだったので)。バックスクリーンが妙に白々しいのはホールの仕様かなと思ったんだけど、後でそこにPVが投影されたので、ああなるほどーと思った。今まで行ったGrapevineのライブはイスなしで、ライティングも最低限演出的なハコばかりだったから。コレもちょっと自分内では10周年特別感がありました。

とにかくバンドで10年はすごいです、継続/存在におめでとうございます!…ってこんなところに書いてもメンバーのみなさんには届かないかと思いますが、終演後もうアンコールはないなと思いつつ心を込めて拍手をしました。それは聞こえてくれているとよいなと思いました。そしてこれからは、私はたぶん相変わらずlazyにだけど今度は時代と一緒にGrapevineを聞いていくと思います。

また何度でもこういう夜がありますように。