がんばれ、こまちゃん!

『こま撮りえいが こまねこ』合田経郎監督・原作)の主人公のこまちゃんは、自分で何かを作るのが大好きなネコの女の子。その好きが高じて、自分で作ったお人形さんが出演するこま撮りアニメを作ったりしているのです。そう、あの、ちょっと人形動かしてはパシャ、ちょっと人形動かしてはパシャッ、っと、ひとコマひとコマ撮影して作る映画を作っていうあれです。こつこつと、ひとりで。

『こま撮りえいが こまねこ』には、個人的に、こまちゃんのやっていること、こまちゃんの失敗、こまちゃんの自作アニメの“出演者”とのピクニック…など、「わかる!わかるよこまちゃん!」というシーン満載の映画で、もうね、DVDが出たら絶対買います。

しかし、劇中、私が危惧しているところがひとつありました。それはそのこまちゃんの趣味の自作映画作りに関わることなのです。

かつて、地球上にには「8mmフィルム」なるものが存在していました。一般市民入手し得た動画を撮るデバイスとしていちばん最初に世にリリースされたプロダクトです。最初は白黒、それからカラーになりました。フィルムメーカーとして名だたる富士フィルムコダックの2社がフィルを製造販売していまして、両者に互換性がないのがナンですが、「シングル8」と「スーパー8」って言やあ誰だってわかる代物だったのです。

現在は、市井の人々の映像制作のデバイスもデジタルに移行しつつあり、というかもう、移行しちゃって、デジタルビデオカメラで撮影してコンピュータ上で編集っていうスタイルになっています。先日見た「ウルルン」で、阿部サダオさんがチェコに行ってコマ撮りアニメを作るっていうのをやっていたんだけど、チェコでもデジタルカメラ(スチルの方)で撮影してPC上で繋いでいました。すぐその場で撮影したものも見れるし、便利そうでした。

やがて、デジタルカメラの生産と販売台数がフィルムカメラのそれを上回り、富士フィルムコダックも、8mmフィルムの製造販売を終了する、という方針を打ち出してきました。2006年2月には、コダックが「スーパー8」の正式な販売を終了。富士フィルムも2007年3月で「シングル8」の販売を終了し2008年9月には現像を停止する、となったのです。

http://www.asahi.com/culture/movie/TKY200610200237.html

そんなことになったら…こまちゃん、映画作りが続けられなくなっっちゃう! 見たとこぜんぜんデジタイズされていないこまちゃんライフ、あれじゃ8mmフィルムがなくなっちゃうからデジカメとMac買ってそれ使って下さいね、っていうわけにはいかなさそう。そうしたら、どうするのこまちゃん、映画作り辞めないとならなくなっちゃうのー(泣)

もう2007年、どうなってしまうんだろうと思っていたら、富士フィルムが「シングル8」の販売・現像の終了する計画を撤回し、延長する、と発表したのです!

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20070110-OHT1T00165.htm

よかったね、こまちゃん!

生産体制を維持するため、春以降の生産分から2割程度の値上げになるみたいなんですけど、無くなるのに比べたら、ね。