サッカー、負けちゃったね

サッカー、負けちゃったね。あーもー「サムライ・ブルー」じゃなくて「まじブルー」だよ…。

ま、なんていうの、何年かに一度のことだからね、ここぞとばかりに堂々と、ああすればよかったのにとかあいつはダメだとかこつはもっと早く交代すべきだったのにとか、ひとのこと、言えるのはね。普段自分が言われていることを堂々と他の人に向かって言えるのは、ね。

選手のみなさんが試合をすることを楽しめているとよいなあと思う。今自分がすばらしいW杯のピッチに、JAPANを付けて立っていることを味わって欲しいなあと思う。

そしてそのJAPANには、日本のあちこちで、今日もあなたたちを目指してボールを蹴っているサッカー少年少女たちの思いが込められていることを、ちょっとでも思い出してくれたらなあと思う。かつてあなたたちと競ったサッカー競技者、かつてあなたたちに破れたサッカー競技者、それから、直接はあなたたちとは戦ったことはないけど「あいつ、うめえなあ、半端なくうめえや。あんなヤツがいるんじゃオレなんて上には行けねえやな。」って競技者になることを“あきらめた”人たちが、いることを、ちょっとでも思い出してくれたらなあと思う。同じくらい練習したさ、いやもっとそれ以上してたかも、でも、運だとか才能だとかなんだとかでサッカーの神様にピックされなかった人たちが、勝手だけど、あなたたちに、勝手だけど夢を託して見守っていることを、どうかどうか、忘れないで欲しいと思う。

「今だってオレ、100回くらいはリフティングできるよ」とかつてのFWは言い、青山の路地裏にボールの音を小気味良く響かせた。でも20もいかないうちにボールは地面に落っこちた。おいおいおいー、タバコだよタバコ、なんて言いながら、再びボールを膝に乗せた。おーしパス!と言うと、えっらいへたくそなパスがきた。んだよそんなんじゃ取られちゃうぜ、言うと、いつだってオレのパスはへたくそだったさ、でもおまえよく取ってたよな、と、かつてのFW。なんだよわかってたのかよ。みなで笑った。

次の相手は手強いぞ、思い切って戦って欲しいと思います。悔いの残らないように。